文献探しはI-Scover とともに (第2回)

I-Scover なにしていますか?

暇ですか? 検索してもらっていいですか?(2/4)


五味 弘 = OKI (沖電気工業) エバンジェリスト | 2017年8月23日


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Aパート「I-Scover は荒野を目指す」

目的を待たずに気ままに文献検索をするのはGoogleが一番適している。既に暇つぶしも兼ねて経験している人も多いだろう。しかし気ままな検索は人生と同じで不安定な航海である。未来は見渡せない。

論文の文献量が多いのがCiNii であるので、固定の検索用語を使って検索結果の量に期待したい場合はCiNiiがいいだろう。固定検索ならトップの検索結果を残す。しかしそれだけである。それしかない。

I-Scoverはつながりで勝つ。芋づる方式の検索ならI-Scover である。検索結果に失望したとしても、リンクトデータの蜘蛛の糸が残っている。その1本の糸を大切にして検索を続けることができる。慣れてくれば、蜘蛛を飼いならすこともできる。I-Scoverでリンクトデータからの検索をどこまで追い詰め、どこで諦めて打ち切るかの戦いである。まさに検索コストと検索結果の効果のバランスを考えることがI-Scover検索の蜘蛛を飼い慣らす。I-Scoverはリンクトデータがあるので、検索の荒野でも羅針盤がある。指南してくれる。Google や CiNiiでは目指せない検索の荒野をI-Scoverは目指すことができる。

I-Scover でつながりが多そうなキーワードで検索してみてほしい。流行り言葉で検索すると、金に群がってくる亡者のように、つながりが多く、魑魅魍魎の世界になっているので、そのようなキーワードで検索してみほしい。機械学習とか(ぼそっ)。

研究の流行を探るだけであれば、I-Scoverで分野を指定して時間軸を中心とした検索が有効だ。決め打ちの研究論文の検索であれば、(Googleでも可能だが)特有の専門用語による検索が効果的だ。このように検索の目的を明確化すると、妥当な検索システムを選ぶことができ、検索の効率は一段と向上する。

でもこれだけではおもしろくない。君も経験があるだろう。暇つぶしに適当な単語でネット検索したことを。そしておもしろいものを見つけたことを。本当「Google、スゲー」と思ったことだろう。これと同じことをI-Scoverの論文検索でもしてみるといい。きっとおもしろいことが発見できるはずだ。そして運が良ければ、いい研究テーマを得ることができるかもしれない。まぁ、そんなことを期待せずに、試しに気ままに検索してみてほしい。きっとI-Scoverの虜になるだろう。I-Scover はリンクトデータで有機的に論文が結び付けられている。これは研究論文に特化していない全文検索のGoogle では味わえない魅力だ。麻薬のように人を痺れさす検索になるだろう。

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